ITの驚異的発達は、社会や産業の様々なところに「中抜き」という現象を招きました。
雇用の場も、例外ではありません。
あらゆる業務のIT化が進み様々なロボットやCAD、パソコン、自動制御による様々な機器が社会や職場の場面に登場してきました。
ITの登場で入社間もない社員でも、マニュアルや作業手順書に基づいて行えば機器の操作はでき、会社に利益をもたらす事ができる様になったのです。
お陰で、年功序列型賃金によって世界の中で高止まりしてしまった日本人の賃金を、海外との厳しい価格競争の中でも守ることを可能とした時期もありました。
そういうメリットがある一方で、中堅社員の職場がITに代わられたり、年数が経っても期待通りに社員が育ってこないなどという課題をもたらしました。
「中抜き」という、ITが招いた現象は単なる「効率」ではありません。
招いたのは、人が行う思考プロセスの「中抜き」、つまり「人」資源から<考える力>を削ぐこと...だったのです。
|